2010年10月10日日曜日

慎太郎刈り誕生の経緯とは?発祥の店、逗子の塩沢理容店/神奈?

 少し長めの前髪に、脇を短く刈り上げた「慎太郎刈り」の“生みの親”が逗子市内にいる。東京都知事で作家の石原慎太郎さんの小説「太陽の季節」から生まれた流行の一つで、かつてその舞台となった湘南海岸はアロハシャツ姿に慎太郎刈りの若者たちであふれたという。一世を風靡(ふうび)した独特のヘアスタイル。一体、どんな経緯で出来上がったの?

 ガラス戸を押して店内に入ると、シャッシャッシャッシャッと小気味よいはさみの音が聞こえてきた。逗子市逗子1丁目の理髪店「塩沢理容店」。創業90年以上の老舗で、3代目の塩沢茂一さん(77)はキャリア57年のベテランだ。

 塩沢理容店は慎太郎刈り発祥の店として、テレビや雑誌に取り上げられたこともある。石原さんが訪れるようになったのは、塩沢さんの弟祐二さんと石原さんの弟裕次郎さんが通っていた逗子小学校で同じクラスになったのがきっかけという。

 1?5ミリのバリカンで脇を短く刈り上げ、前髪はまゆにかからないのが基本形。石原さんが一橋大に在学していたころ、汗をかくと落ちてくる前髪を嫌っているのを見てひらめいた。「最初から髪を下げておけばいい」。芥川賞を受賞する2、3年前のことだった。

 1955年に発表した小説「太陽の季節」はベストセラーとなり、のちに映画化。当時の銀幕スターがこぞって取り入れたこともあり、若者たちに流行として受け入れられた。塩沢さんは「当初は格好より機能を重視したヘアスタイルだったんだけどね」と笑う。

 来店した石原さんに気付いた人が外に人垣をつくるのは日常茶飯事で、最後は入り口のガラス戸も開けられてしまうほどの熱狂ぶり。テレビに取り上げられた翌日には多くの若者が押し寄せ、月に200人以上、入店を断ったこともあったという。

 70歳を過ぎた今も現役を続ける塩沢さん。「予約は一切受けない」のが、創業当時から変わらないルールだ。石原さんが初めて国政に挑戦した際も、塩沢さんは小学生だった自身の娘に代わりに順番待ちをさせた。

 客層は50?60代が中心。宇都宮から片道約3時間をかけて通う13年来の常連客がいれば、技術を学びに都内から足を運ぶ若い美容師もいる。「お客さまに合ったヘアスタイルにするのがわれわれの仕事。慎太郎刈りもそう。わたしがたまたま刈っていただけ」。自然体のまま、これからもはさみを握り続ける。

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引用元:函館市歯科の総合情報サイト

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